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Festuca 属における潜在的変異に関する研究 : Ⅵ. トールフェスク(F. arundinacea Schreb.

)品種における農業
Title 的特性の変異

Author(s) 杉山, 修一; 高橋, 直秀; 片岡, 政之; 後藤, 寛治

Citation 北海道大学農学部邦文紀要, 14(3), 294-300

Issue Date 1985-03-18

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/12027

Type bulletin (article)

File Information 14(3)_p294-300.pdf

Instructions for use

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP


F
est
uca属 に お け る 潜 在 的 変 異 に 関 す る 研 究
VI
. トールフェスク (
F. arund
仇 αc
eαSchreb.)
品種における農業的特性の変異

杉山修一・高橋直秀
(北海道大学長学部附属農場)

片岡政之
(九州農試草地部)

後藤寛治
(北海道大学長室学部食用作物学教室)

(~t叩 159 年 10 月 30 日受埋)

Studies on potential v
ari
abi
liy in Festuca
t

VI
. Variation of agronomic characteristics i
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l . αrundinacea Schreb.)
F

Shuichi SUGIYAMA and Naohid巴 TAKAHASHI


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HokkaidoUnivers町 r
)

州農試で農林登録品種,ナンリョウが育成されるにおよ
緒 論

, トールフェスグの育種は初期段階を超えたものと思
トールフェスク (
Fes
tuc
aar
und
ina
ceaS
chr
eb.
)は, われる。したがって,今後,育種を進めてゆく上では,基
他の牧草種とともに明治初年に導入されて以来,わが国 本的な農業特性の変異,ならびにそれらの相互関係や,様
における重要な寒地型牧草の 1つとなっている。 トーノレ 々な気象条件や管理条件に対するこれらの特性の適応的
ブェスクは,一般に他の寒地型牧草に比べ,耐暑性がす 意義について知見を深めてゆくことが必要と思われる。
ぐれるため,主に中国,四国,九州などの暖地傾斜地に 現在,世界には 1
981年までに OECDに登録されたト
おける放牧用草種として利用されてきた。しかし トー ールブェスク品種は約 40程ある。本試験は,そのうち各
ルフェスクは広い種内変異を有するため,北海道の道東 国で育成された 24品種と 1系統を用い,これらの品種に
地域のような寒冷地においても越冬が可能で、,オーチヤ みられる基本的な農業特性の変異と育成地の環境条件と
ードグラスに比べて,高い家畜生産性を示すことが報告 の関係について調査したものである。
されている 14)。
材料および方法
わが国でのトーノレフェスクの育種は, 1
962年以降,北
海道農試で優良品種の選定,育種素材の収集をはじめと Table1に,供試品種とその育成地,育成地の緯度,
して行なわれ2,
5),1
972年には,農林登録品種,ホクリョ 1月の平均気温を示した。気象データは,世界気象機関
ウ,ヤマナミが普及に移された 4)。また, 1
983年には,九 の CLINO(
Cli
mat
olo
gic
alNormals)から各育成地に

294
J・高橋・片岡・後藤: トーノレブェスク品種の変異
杉I
J 295

Table 1
. Materialsused,t
hei
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Meteorologlcal
C
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1 Sapporo,Japan 4
3.0
0
N -5.80C Sapporo
2
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3.0N
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5
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3
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4
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1 0
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7
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1 Lexynton,Ky.,USA 3
8.00 N -1.3
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8
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9
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1
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1
2. Tallmo Vlijmen,Netherlands .50 N
51 .7
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1
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0
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1
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0
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1
8. Ludion Grenelle,Franc巴 4
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0
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6
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2
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2.50 N 4
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2
3. Maris Kasba Carnbridge,U K 5
2.50 N 4
.20
C London
2
4. MarisJ
ebe
l Cambridge,U K 5
2.0N
0
4
.20
C London
2
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apl
oid (throughNat.
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.inJ
apa
n)

最も近い地点のものを用いた6)。供試品種のうち, ホク 0,3kg,9月
と同量を,さらに 6月初旬に, N,2kg,K2
リョウ,ヤマナミは,ともに札幌の北海道農業試験場で 初旬には, N,1kg,K20,2kgを追肥した。
育成され,そのうち,ホクリョウは札幌市,羊ケ丘の北 1
979年の播種当年には,出穂のみられた個体数を調査
海道農試構内に自生していた集団を,ヤマナミはアメリ した。 2年目の 1980年には,各区につき,年 3回刈と年
カからの導入品種を育種母材としている 4)。また, Maris 5回刈の 2種類の刈取処理を行なった。各刈取処理は,
J
ebl,Maris kasbaは,冬期間においても生長を継続
e 3回刈区では,各品種の開花期 8月 2
8日, 1
0月 8日
することを目的として,北アフリカの自生系統を素材に に,他方, 5回刈区では, 5月 2
1日, 7月 1
7日, 8月 2
1
育成された品種で・ある。なお, MarisJ
eblは 1
e 0倍体で 日
, 9月 2
6日, 1
0月 1
8日の各期に行ない,各区 5{固体
ある。 4倍体系統は,草地試験場を経由して導入したも につき個体乾物重を測定した。また 3回刈区における
ので,来歴は不明である。 開花期の調査では,各区 5個体につき,出穂茎数,出穂
1
979年に,各品種をペーパーポットで育成し 6月に 茎乾物重,栄養茎乾物重を測定し,さらに各個体 3出
穂、
実験圃場に移植した。試験区は 2反復乱塊法とし,畦 茎につき,秤長,穏長,止葉長,止葉幅 1穂あたりの
幅 50cm,株間 25cmで
, 1畦 4
.5m,1
8個体を 1区とし 頴花数を調査した。また, 3回刈区では,各区約 10個体
た。施肥は, 1
979年の移植前に 1
0aあたり, N,4kg, につき,出穂始日(個体あたり 3本の茎が出穂した日)と
P2U5,6kg,K20,7
.5kgを
, 1980年は越冬直後に前年 開花期刈取後の 2番草について出穂のみられた個体数を
2
96 北海道大学長学部邦文紀要 第 1
4巻 第 3号

調査した。なお,イギリスの品種, S,170は発芽率が低 収量の計 10形質の相関係数に基づき主成分分析を行な


く,供試個体が充分確保できなかったため 3回刈区の った。 1以上の固有値をもっ主成分が 3つ得られ,その
調査のみ行なった。 固有値と凶子負荷量を Table2 に示した。第 1主成分
で会変動の 55.7%
,第 2主成分で 17.1%,第 3主成分で
結 果
12.7%が説明され,これら 3主成分で全変動の 85.5%が
1.出穂性 説明された。生物学的意味づけを行なうため,各主成分
F
ig. 1 に,矯種当年における出穂個体\~Ij合と 2 年目に の因子負荷量をみると,第 1主成分ではすべての形質で
おける出穂始日,再生草 (
3回刈区 2番草)の出穂個体割 正の値をとっており,特に,両刈取区の年間収量の値が
合との関係を示した。播種当年の出穂個体割合と出穂始 高くなっている o したがって,第 1主成分は基本的な収
日の聞には 1'= -0.60,2番草出穂個体割合との聞には 量性を表わす主成分と考えられる。第 2主成分では 3
=0.67と,それぞれ 1%水準で有意な相関関係がみられ
1
' 回刈区 l番草, 5回刈区 1,2番草で負の値を, 3回刈区 3
た。つまり,播種当年に出穂する個体は 2年目の出穂 番草, 5回刈区 4,5番草で正の高い値をとっている。し
も早く,開花期刈取後の再生草でも出穂する性質を示し たがって,第 2主成分は季節生産性を表わす主成分とい
ている。 これは, CALDER1)がオーチヤードグラスで報 える。第 3主成分では 3回刈区の 4形質ではすべて正
告している結果とほぼ同じである。 の値を示し,逆に 5回刈区の 6形質ではすべて負の値を
品種を比較すると,アメリカで育成された品種は,一 示していることから,この主成分は刈取頻度に対する反
般に橋種当年でも 2番草でも出穂しやすく,出穂始日も 応性を表わす主成分といえる。
早い傾向がみられた。しかし,オランダ,フランスの品 Fig.2 に,第 1主成分と第 2主成分,第 2主成分と第
種には,これらの出穂性について一定の傾向はみられな 3主成分の品種スコアーの散布図を示した。 Z1 では値が
かった。札幌で、育成された品種のうち,ホクリョウは, 大きくなるほど多収に,みでは値が大きくなるほど季節
播種当年,再生草ともに出穂が認められず,晩生であっ 生産性が平準化し, Z
3ではf
、 直が大きくなるほど少回刈区
たが,ヤマナミは括種当年,再生草ともに高い出穂性を に比べて多回刈区の収量が低下する。第 1主成分では,
示し,両品種はまったく異なる.出穂、性を示した。 Mariskasba(
23),MarisJebel(
24),4倍体系統 (
25)が
. 生産性
2 著しく低い値をとり,低収であることを示している。こ
供試品種の生産力を総合的に評価することを目的とし れは,これら 3品種,系統の札幌における越冬性が極め
て 3回刈区と 5回刈区の各刈取時の収量と両区の年間 て劣り,約 4割の個体が枯死し,さらに生存個体も著し
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J・高橋・片岡・後藤. トーノレアェスク品種の変異
杉I
J 297

Table 2
. P
rinci
pal componentsext
rac
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orrel
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on
c
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nts among yie
ldsof each crop a
t 3and
5cuttin
g systems

Factor Loading

E
H且
3c
ut
(1
) 1
st crop 726 一.
276 .
261
(2) 2nd crop .
747 .
007 .
519
(3) 3
rd crop 4
41 .
703 .
475
(4) Total .
854 一.
049 45
. 9
5c
ut
(5) 1
st crop .
899 一.
256 一.
114
(6) 2nd crop .
854 一.
265 -.369
(7) 3
rd crop .
847 一.
265 一.
369
(8) 4th crop 637 .
548 -.377
(9) 5th crop 1
55 .
834 一.
235
(
10) t
ota
l .
936 -.093 一.
327
Eigenvalue 5
.57 .
171 .2
1 7


z Z
3
.24

1
5

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~‘吐':)6 7
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. Sca
tter diagramofv
ari
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lsc
ore
s betweenZI and Z2' and Z2 andZ3・
Symbols asinF i
g.1
.

い冬損を受けたためで、ある。そのため,これら 3系統は 果は,トールフェスク弘 12),オーチヤードグラス 7) などで


以後の解析から除外した。第 1主成分と第 2主成分の散 得られた結果と一致する。しかし 1月 の 平 均 気 温 が
布図において,第 4象限から第 2象阪にかけて散布して Ooc以下の場所で,育成された品種は,春の相対収量が
いる品種の育成国が,日本,アメリカ,オランダ,プラン すべて高い{直をとっているのに対して ,Ooc以 上 の 場 所
ス,イギリスの順となり,冬の気温の低い国で育成され で育成された品種には大きなばらつきがみられた。
た品種ほど多収であり,収量が春に偏る傾向があること 刈取頻度に対する反応性を示す第 3主成分をみると,
がわかる。このことについてさらに詳しくみるために, アメリカ, 日本の品種が 0付近に集まり,フランス,オ
Fig.3に 5回刈区 2番革までの相対収量と育成地の 1月 ランダの品種が正負両方向に広がりをみせている。 F
ig.
平均気温との関係を示した。両者の間には,r=ー0
.55料 4に
, 3回刈区と 5回刈区の年間合計収量の関係を示し
と負の有意な相関関係がみられ,冬期間寒い場所で育成 た。両者の聞には相関関係は認められすや (
r=0
.07
),少回
された品種ほど春に収量が偏る傾向がみられる。この結 刈条件下と多田刈条件下における生産性は異なった特性
298 北海道大学農学部邦文紀要 第 1
4巻 第 3号

以) @1
3
. 形態形質
=-0.55+
1
'
開花期における形態形質について,供試品種の総合的
@2
06 評価を行なうために主成分分析を行なった。 Table3に

(
戸川市一凶

その固有値と因子負荷量を示した。用いた形質は,手早長,
求)22hω と百円ω肖

05 07 03
ム1 1
L
l
.1:
l"'18
穂長,栄養茎乾物重,出穂茎乾物重,出穂茎数, 1出穂茎
位21 重,楽長,葉帆 1穂あたりの頴花数である。 1以上の


口1
.
1 A2
:U 悶有値をもっ 2つの主成分が得られ,この 2つの主成分
A1G
によって全変動の77.3%が説明された。第 1主成分の因
ム ーLρ 企 04
ム1
0亙 l
U 子負荷量は,梓長,穂長 1出穂茎重 1穂あたりの頴
ム1
2
花数など l出穂茎の大きさに係わる形質で、すべて 0
.8以
kの正の高い値をとっているため,この主成分は出穂茎
のサイズを表わす主成分といえる。第 2主成分では栄養
-
.1 -2 1
0

Temperature i
nJa
n.(
oC) 茎乾物重でー 0
.71
5と負の高い値を,出穂茎乾物重,出穂
茎数では 0
.87
6,0
.85
0とそれぞれ正の高い値をとってい
F
ig . Relationshipbetweenr
.3 e
lativey iel
dof
1stand 2nd cropa t 5cut
ti ng system ることから,第 2主成分は,開花期における栄養生長と
and mean temperature of January in 生殖生長の相対的割合を示しているものと考えられる。
the breeding sit
es. Symbols a s in 第 1主成分と第 2主成分の品種スコアーに基づく散布
Fig.1.
図を, F
ig. 5に示した。第 1主成分では,ホグリョウが

2
00
極めて高い値をとり,出穂茎のサイズが他の品種に比べ
て著しく大きくなっている。残りの品種についてみる
と,一般にアメリカの品種が高く,フランスの品種が低
国別的訪
1¥国 )5
(・

く,その中聞にオランダの品種が散布する傾向がみられ
ム12 .
.
.
. る。実際,第 2主成分の品種スコアーと育成地の 1月の
∞ 3

1
3ムー
平均気温の聞には,r=ー0
.51*と 5%水準で有意な負の
ロU白 百 芝 虫 LF

05
1
, 8.
,' 相関があり,冬期間寒い地域で育成された品種ほど 1出
・. 11
;1{
)G
ム11 @
d;
O 穂茎のサイズが大きくなる傾向があることを示してい
@z 03 る。これは,著者らがメドーフェスクの品種や 10), トー
k
. "'17"'19
.21
2
0 Table 3
. Pri
ncipa
l components e xt
racte
d
from corr
elatio Ic
n coef
I ient
sa 司

削ト
1 ,9 mong morphological cha
racter
s
。ム半日
at丑oweringtime
1
00 1
20 J
.JO 1
60 1
80 。

Yield a
t 3c
utt
i昭 (
g/pl
.
) Factorl
oad
ing
F
ig.4
. Relationship between t
ota
lyiel
dat3
I
and5c uttin
gs ystems
. Symholsasi
n
9
A 1 n u Aリ ウ ' ♂ Q d 1 ム
内U

Fig.1. (
1)Culmlength .
124
842492

d

(
2)Earlength 484
といえる。このことは,オーチヤードグラス 3),ライグラ
i
巧 nynunwdqu

(
3) D Wo
fve
get
ati
vet
ill
ers ー .
715
ス8) およびメドーフェスク 13) について認められている。
(
4)D Wo
f reproductive t
ill
ers .
876
品種は 5回刈区と 3回刈区の年間収量の相対的割合に
(
5)Numberofreproductivet
ill
ers 8
50
ついて 3群に分かれている。つまり, ~fÜ 刈取i玄で収量
(
6)Meanreproductivet
ill
erweight -, 1
84
が変わらないもの 5回刈区の収量がやや落ちるもの,
(
7)Leaflength -.518
そして著しく落ちるものである。一般に,日本,アメリ
(
8)Leafwidth .
763 .
135
カの品種は,中聞の群に集まっているが,フランス,オ
(
9)Number off
lor
ets per e
ar 937 .
137
ランダ、の品種は 3群すべてにわたって分布している。
Eigenvalue 4
.36 2
.59
杉山・高橋・片岡・後藤: トーノレフェスク品種の変異 299

=
L6
07 摘 要

世界各地に由来するトールフェスク 2
4品種, 1系統を
ム1
0
供試し出穂性,生産性,開花期における形態形質に関
1
9
- T AD 企 Z
l する変異を,主に育成地との環境条件との関係で検討
"
-3 2
}2A170:dS1高FJ141 @1
し7
こ。

1
. 播種当年に出穂しぞすい品種ほど 2年目の出穂
-1
ム1
2 も早生となり,刈取後の 2番草においても出糖、しやすく
..,toillllBlh
m4

なる傾向がみられた。一般に,アメリカで育成された品
日ム

種は,播種当年と刈取後の再生草でもよく出穂、し,出穂
始日も早生となった。
F
ig.5
. S
cat
terdiagramo
fvarie
tals
coresbetween 2
. 年間 3回刈区と 5回刈区の各刈取時と年聞の合計
Z
IandZ 2
. Symbols a
si nFig
.1.
収量の相関関係に基づき,主成分分析を行ない。その結
ルブェスクの生態型 1
2)で、得た結果と一致している。他 果,基本的収量性,季節生産性,刈取頻度に対する反応
方,第 2主成分については,アメリカの品種が開花期に 性を表わす 3つの主成分が得られた。一般に冬期間の気
おける生殖生長の割合が高くなる傾向がみられたが,他 温の低い国で育成された品種は,収量が春に偏る傾向が
の品種については一定の傾向は認められなかった。 みられた。しかし刈取頻度に対する反応性には,品種
聞に広い変異がみられたものの,育成国聞には一定の傾
考 察
向はみられなかった。
木試験の結果,主成分分析の散布図については,ホク 3
. 開花期の形態的 9形質に基づき主成分分析を行な
リョウが他の品種に比べて特に異なる位置を占めてい った結果,出穂茎のサイズを表わす主成分と開花期にお
た。これは,季節生虚性,出穂茎のサイズについて顕著 ける栄養生長性を表わす主成分の 2つが得られた。出穂
にみられ,この点ホクリョウは, トールフェスグ品種の 茎のサイズについては,冬期間寒い国で育成された品種
中でも特に寒冷地に適応した品種といえる。それに対し ほど大型化する傾向がみられた。しかし開花期におけ
て,北アフリカの自生集団から育成された Mariskasba る栄養生長性については,育成国に一定の傾向はみられ
と MarisJ
ebe
lは, ホクリョウと対照的であった。 こ なかった。
れらの品種は,札幌のような寒冷地での越冬は極めて悪
引用文献
いが,播種当年には晩秋でも活発に生長を続けることが
観察された。このように, トーノレフェスクの品種聞には . CALDER,D
1 . M.・ Flowering behavioro
fpop-
一般に広い変異が存在している。しかし,著者らが前報1
2) u
lat
ionofDact
ylisglomerataunderconditions
で報告しているように, トールフェスクの生態型には,
i
nB r
ita
in,よ Apρl
.Ecol.1 :307
-320
.1 964
2
. 川端習太郎 F
est
uca属牧草の生産力に関する種な
ヨーロヅパの山岳地帯に自生する集団のようにホクリョ
らびに品種間差呉,北長試実報, 9 0:9 9
-103
.1 966
ウを超える変異を示すものや,北アフリカ(チュニジア)
. KAWABATA,S
3 . and GOTOH,K.: I nter
action
の集団のように特異な出穂性を示すものなど既存の品種 。fva
rie
ty and c
utt
ing treatment i
n orchard-
には見られない幅広い変異が含まれている。 g
rassy
iel
dtr
ias,J
l ap.J
.Br
eed
. 20: 1
97-
199
.
著者ら 10,
11,
1) は,トーノレフェスクと近縁のメドーフェ
3 197
0
スクについては,変異の幅が狭いため,倍数化,種間交 . 川端習太郎・後藤寛治・森
4 行機・雑賀優・鈴木
雑などの育種的手段によって変異の幅を拡大することが 茂・阿部二朗・高瀬 昇: トーノレフェスクの新品
澄「ホクリュウ」および「ヤマナミ」について,北
育種にとって有効であることを指摘した。しかし, トー
農試研究報告, 1
03:1
-21
.19
72
ルフェスクに関しては,前述のように,生態型の中にい
5
.)1
1端習太郎・後藤寛治: 最近海外より導入した l
まだ利用されていない多くの有用な遺伝変異が含まれて
ーノレフェスク (
Fes
tuc
aarundinacea Sc
hreb.)お
おり,今後のトールブェスクの育種に際しては,これら よびメドーフェスク (F ,t
白 u
caPl刀 t
ens
isHuds.)品
の生態型の変異を利用してゆくことが有効と思われる。 種の生産力と諸特性にみられる変異性,北農試研究
資料, 2
:1-
52.1
973
3
00 北海道大学農学部邦文紀要第 1
4巻 第 3号

6
. 気象庁: 外国気候表,気象庁観測資料, 31
.1 96
3 secondyear,twosystemo
fcutt
ingtreatment(th
r e
e、

7
. 熊井清雄: 牧草の季節生産性の機作ならびにその timesandf i
ve-t
imespery
ear
)werec a
rriedo t,
u and
調蜂技術に関する研究,草地試研報, 5 :1 3
7-265 pla
ntdrymatterweightinfi
vepla
ntsofeachc u
l-
19
74 t
ivarwasmeasuredineachc
utti
ngtimeunderboth
8
. 岡部 俊: イ タ リ ア ン ラ イ グ ラ ス の 育 積 に 関 す る treatmen
ts. Ina ddition,somemorphologicalchar-
基礎的研究,北陸長試報, 1
7:1
29-
284
.19
75 a
ct e
rsa tfloweringtimeandproportiono fheading
. ROBSON,.
9 rM.: A comparison of British p
la nt
si naftermathwere measured.
and northAfrican v
ari
etie
so ft allf e
s cue11
. The resu
lts obtained wereasf o
llows.
Growth during winter and sur vivala t low 1) Thepercentageo fheadingplantsi ntheyear
よ App
temperature, .
zEcol.5: 179-190. 1968 o
fsowing c o
rrelatedn egati
vel
ywitht heearli
ness
1
0. 杉山修一・高橋直秀・後藤寛治 F
est
uca属 に お o
ff lo
weringinthesecondyear,andp osi
tivel
ywith
け る 潜 在 的 変 異 に 関 す る 研 究 1 . メドーフェスク thepercentageo fheadingp lantsi naftermath( Fi
g.
(F
estu
cap r
atens
isHuds.)品種の主成分分析による 1)
. C ulti
vars from USA tended t o show a ct
ive
分類、,北大農邦文紀, 1 1・372
-379.1979 headingi ntheyearo fsowingandi nt heaftermath,
11.杉山修一・高橋直秀・後藤寛治 Fe
stuca属 に お and earline
ssi nt he timeofe aremergence.
ける潜在的変異に関する研究, 1 1
. メドーフェスク 2) P r
incipalcomponenta n
alysis wasa pplie
dt o
人為 4傍体における多交配後代検定,北大差是邦文紀, they i
eldo f eachcrop under f r
equent and i nfr
e-
11:380-
385.1979 quent cuttings ystems. Three f acto
rs were 0ト
12 杉山修一・高橋直秀・後藤寛治 Fe
stuca属 に お tain
ed. The五r st,second and t hir
df ac
torsr ep
司r
e
ける潜在的変異に関する研究, I II トーノレフェス sentedy iel
dinga b
ility,seasonalp a
tt e
rno fgrowth
クの生態型にみられる諸特性の変異,日草:誌, 2 6: andresponse t ocutting frequency( Table2)
. Cul

25
9-2
66.1 980 tiva
rs whichwerebred i ncoldc limaticco u
ntries
13
. 高橋直秀: メ ド ー フ ェ ス ク に お け る 潜 在 的 変 異 に showed a c
tivegrowth i ns p
ring but t he reduced
関する研究,北大農場報告, 2 4:1-5
2.1 98
5 growthinautumn. Therewasnoa s
soc
iatio
nb et
-
14
. 田辺安一: 寒 地 型 牧 草 の 放 牧 適 性 と 育 種 効 果 , 北 ween pr
oducti
vit
yunder frequent anu in
frequ
ent
海道草地研究会報, 1 8:3 0
-43
. 1984 cut
tingsystems(Fi
g.4
).
3
) Pri
nci
pal component a
nalys
is was a
lsoa p
-
Summary p
liedt
oninemorphologicalcha
racte
rsatflow
eri
ng
Va
riati
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f some agronomic ch
a r
acteris
tics ti
me. Twocomponentswereobtained,whichr e
p-
i
nc ul
tiva
rsoft
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uca arundinacea r
esent
e i
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1er s
ize and a
cti
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SCHREB.)wer巴 ev
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ativegrowthduringreproductive growthpe-
ponent an
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sis. Twenty fourc u
lti
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od,re
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)
. C ultivarsderivedfrom
s
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est
iga
tedunder t
hespacedp lant
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ntrie
s tended t
o havela
rgersi
ze
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ondit
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s(5
0cmx25cm)i nthe五eldo f Hokkaido o
freproductivet
ill
er(lo
ngculmande r,andl
a a
rge
University,Sapporo,]apan(Table1
)
. At theyear l
eafe
tc)thanthosefromwarmc
. 1imatic countries
of sowing,presence or absence o
f heading was (
Fig
.5)
.
examined inallp lan
tso f each cult
ivar
. At the

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