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民医連スタディーツアーin トロント 佐藤メモ

金曜日:

9:00-11:00 病院における公正:病院における公正な新規の活動の探索:
Women’s College Hospital, 76 Grenville St, 2nd floor Pink Cube – Meet in Lobby 【セッション17】

都市部のど真ん中、とにかくでかい・きれい。
1 階はできたての空港みたいな雰囲気で、食事に限らずいろんな店もある。
病院周辺の電柱の旗にも、院内のエレベーターのドアにも、いろいろと啓発系のメッセージがある。
Cheryl Woodman(ウイメンズ・カレッジ病院副院長)
女学生のための教育機関としてスタート(女性が医師になれなかった時代)
卒業した女性の就職先が少なく、受け入れ先として病院となった。
クリニックから病院へと発展し、最近他の大きな病院と合併して大きくなり、2017年にそこから独立した。
独立前は、比較的恵まれた層の女性に対する医療をしていたが、今は女性以外も含め、多文化のなかで辺縁に追
いやられた(Marginalized)集団に対する公正な医療を提供するようになった。

ジャック 戦略企画者 トランスジェンダー当事者でもあるそうだ


(スライドの字が小さく色が見えにくく、全体的に内容取りにくかった。スライド後日ほしいな。とりあえず
夜にネットで関連サイトなどみて補いました)

恵まれない人達に対する医療をしている。
病床ゼロ(病院に囲い込まずに社会で生活が続けられること)を目指して、外来主体でやっているが、病院では
あり複雑な手術などもしている(腰の手術を5時間で終えて当日帰宅するなどできるだけ外来手術に徹する)

女性医療、公正な医療のために病院のあり方を変革していっている。

ビジョン:
医療に革命を起こすための実験室、それをできるだけ公平な形で。
診療や研究を行う目的として、政策の変革を目指しているという芯が重要。
4つの戦略目標: Equity, Quality, People、Courage→医療の公平性、医療者の養成、医療(患者を自分自身の
医療にかかわらせる)、政策変革、研究によるイノベーション(スライド見えない)。

この病院の患者の性は77%が女性、ジェンダーは様々(性とかジェンダーの話は後々詳しく)
家庭医療、メンタルヘルスを含めた専門家などがいる。
アカデミックリーダー、システムなんとか、キャパシティビルダー、アドボケーターの5種類の役割がある。
薬物使用、嗜癖症、トランスジェンダーの健康(Meldon Kahan, Emily Potter, Cheryl Woodman)
Link to We are Women’s report which overviews both of the programs to be discussed:
http://wearewomensreport2018.womenscollegehospital.ca/index.html

薬物使用、嗜癖症
META: PHI(メタファイ)の紹介
オピオイドや麻薬などの依存症患者に対するプログラム
https://www.womenscollegehospital.ca/programs-and-services/METAPHI

カナダでは薬物依存が問題となっており、特にアルコールの問題が大きい。
死亡率が高く、若年の死亡者が増えてきている。死因は自殺、過剰摂取、肝臓疾患などがある。
アルコール関連死亡が25%増えた。

救急頻回受診やヘルスケアコストも問題になってきている。
どうすればコストを掛けすぎずに適切なケアができるのかを検討してきた。
必ずしも大きな予算が必要なわけではないが、患者はこういったケアを必要としている。
とりあえず救急に搬送されても、その原因に対応されないため同じような状態でまた戻ってきてしまう。
メサドンクリニック(メサドン依存への対応を行っているクリニック)でもアルコール依存治療はできない。
SUD vs Other chronic illnesses
Substance use disorders は、他の慢性疾患と同じ(!)
・複雑で、併存しやすい
・患者のコントロール外にある環境の影響がおおい
・投薬と生活習慣改善の療法が必要
慢性疾患と異なるのは
・患者の意志が弱いなど偏見が大きい
・その他、3 つくらい書いてあった

不公平のサイクル Cycle of unequity


・適切な支援を受けることが難しく、
・医療者からも強い抵抗を受け
・より重症の人ほど適切なケアを受けられない

依存のリスクファクター
遺伝子的な問題、幼少期のトラウマ・体験、精神疾患、教育レベルの低さなど
低社会経済的状態(Low socio-economic status)との併存がある
→薬物依存は「本人が快楽のために楽しくて使った自業自得な結果」ではなく、寂しい・自信が持てないなど「追
い込まれてやむなく発生した陰性感情がコントロールできず、薬物に頼ってしまった結果」であることが多い。
まさしく SDH!

先住民の間ではこれらのリスク因子が多く、物質依存が多い
・住所がなく診療の予約がとれない
・お金がない、社会的支援もない
・体調が悪く日中に起きることや、起きてもうつで辛く、受診することが難しい。
「受診したら対応してあげるけど来ないなら知らない」では駄目だ。
そういう医療者の態度自体が彼らの障壁を高くしている。

スティグマバリア
・親が子供に対して「お前はお酒飲んでだめな子だ」と言ってしまう。
・病院で人として扱ってもらえなかった。
貧困のバリア
・小さい頃にお金がなくて施設に入れられてしまった子。自分のせいではない。
・が、そのまま貧困が続き、格差やスティグマも続いてしまう。
施設に入ったからといって治療にはつながらない。
女性であることでのバリア
・女性専用の医療機関が少ない
・貧しいことがおおい、出産に関連していろいろある。
知識や訓練不足のバリア
・医療者側の知識が足りずに、適切に対応ができない。
META;PHI プロジェクトでやっていること
Mentoring, Education, and clinical Tools for Addiction: Primary care-Hospital Integration
2015年に始まった。

依存症クリニックへの早期のアクセスを重視。
RAAM(Rapid Access Addiction Medicine)55ヶ所できている
https://www.uhn.ca/MCC/PatientsFamilies/Clinics_Tests/Rapid_Access_Addiction_Medicine

政府が8000万ドルの予算を当てて作ってくれた(!)
病院の近辺や ER の近くに作り、問題のある患者が運び込まれたときに受診するアクセスの障壁を減らしている。
迅速な対応を、薬物療法に限らず、精神面のケアや、継続的なケアを提供する施設の紹介までしている。
これが「プライマリケアの一部」として扱われている。
待ち時間や予約なし、受けるための基準(依存症の重症度など)はなく、希望すれば誰でも利用できる。
→これを、中病でも ER の隣りにある救急総合外来で展開したらいいのに。忙しいが理由なら、他の院所の家庭
医や地域のリソースを呼び込んでもよいし、彼らいわく「時間もかからないし、プライマリ・ケア医の基本
的責務」だそうだし。

担当医は、カウンセリング能力が必要。
簡単なコーチングで習得可能で、教育資料もつくっている。

患者からはとても歓迎されている。
ER で、
「私は RAAM に行かなければよかった」という声はなく、「こういうのがあってよかった」という声が良い
いろいろな機関から、情報提供や連携の依頼の話が来ている。

www.metaphi.ca で様々な教育資料やケアモデルの資料などがたくさんある。

質疑応答:
ギャリーから。
こうした社会的に追いやられた人たちには様々な障壁があるという話があった。本来の医療システムの外にい
る人に手を差し伸べようとしているとおもうが、どうやってそういった人たちにリーチしているのか教えてほし
い。また、ツールなどを使って現場で評価したり、取り組みの評価について教えてほしい
→アウトリーチについて。新しいクリニックを作る+繋がり方の新しい方法も作った。シェルター、安全な注射
の場所などそういう患者が集まる場所との連携を作り、情報提供がもらえるようにした。刑務所との連携も
作り、依存症者(受刑中やその後も含め医療にアクセスしにくい)の情報をもらうようにした。女性は「隠
れた物質乱用」の問題を持っていることが多く、家族・周囲や医師がきづきにくいパターンがある(よくみる
と、必要以上に落胆していたり、生活をコントロールできていなかったり)→深いスティグマを抱えていて地
域のケアに繋がりにくい傾向もある。クリニックに来る人は、専門ケアに行くほど悪くないと考えていること
が多く、ここなら普通に治療を受けられると思ってくる
→依存症の治療は、患者側から見ての敷居を低くすることが重要。また、医療者側も知識を持つことが重要。
クリニックで待つだけでなく、自分たちが足を運ぶことが非常に効果的。
救急外来では、脆弱な人たちが集まってくるので、そこの近くに依存症者などを見れる仕組みを作る。

日本では、違法薬物はそこまでではないが、アルコール乱用は大きな問題となっている。
わたしたちが META:PHI をやろうと思っても、日常診療が忙しくて難しく、専属のスタッフが必要と感じた。
55ヶ所のスタッフは依存症ケア専属なのか、他の診療と掛け持ちなのか?
→低コストでシンプルな介入でありやりやすいと思う。プレップゾーン?、マックスゾーン、なんちゃらエイト
というプログラムがあり、アルコールがほしいという患者の衝動抑制と実際の使用を押させるプログラムを
提供しており、鬱の治療もしており、副作用対応もしている。
Clinical Institute Withdrawal Assessment for Alcohol, Revised (CIWA-Ar) Scale – For emergency
department assessment of alcohol withdrawal (5 minutes)
なんちゃらゾーンは見つけられず…
→大変とはいえ、プライマリケアがアルコール依存治療から逃げては行けない。アルコール依存が必要という
指示を出すだけでなく、何らかのカウンセリングが必要と考える。そこまで大変な特殊な方法でなく、コーチ
ングを受けて習得可能なカウンセリングスキルがある。医師としてもやりがいを感じられるアプローチであり、
取り組んでほしい(薬物は、Acamprosate、Naltrexone)
(要するに、専属スタッフを外部で雇うとかではなく、自分たちで取り組むべしということのようだ)

質問があればメール歓迎。メーリングリストにも参加してもらえますとのこと。
Meldon.kahan アットマーク wchospital.ca

基本的に入院させないスタンスは素晴らしいとおもうが、急性期治療後に退院したあとのケアのシステムを教え
てほしい。術後リハビリテーションなど。
→手術を受ける患者の基準を厳密に定めている。術後リハについては、アイパッドを渡して遠隔で医療者と連携
を続けつつ、リハビリについては外部のリハビリ部門に紹介している。術後感染症があれば遠隔診療+処方し
たり、必要があれば受診させたりする。
→初期治療後に観察や治療が必要な場合は、Acute ambulatory care unit があり、急性期疾患限定でみる部門に
移して数時間から1日半くらい経過観察したりしている。薬物中毒では、十分に血中濃度が下がるまで(デト
ックスおわるまで)観察したりする(外来扱いで経過観察する)

→Complex program というのもあり、糖尿病などの慢性疾患などがあり複雑性が高い場合は、その状況見極める
ようにしている(術前評価で他の問題をクリアしてから手術に入れるということか)

感想:
貧困者ケア+物質乱用者ケア≒辺縁に追いやられた格差のある住民のケアを専門にして1-2年勉強し、活動
してみようと思った。刑務所との連携ってありえるかな。どこに Marginaraized な人たち(追いやられた人た
ち)がいるのか(アイヌもホームレスも含め)調べてみたいと思った。
問題の存在を見つけ、関心を高め、まず何か動きつつアドボケイトして、その上で研究や介入の計画を立てれば
良い。中病の ER の隣にソーシャルケアのシステムを作りたい。中病・札病含めて GPMEC で配置できないか?
女性のヘルスギャップ、トランスジェンダーの健康
Transition related surgery: opportunities & challenges、Emery Potter(トランスジェンダー当事者)

Transgender とはどういう人か
Sex:遺伝子で先天的に「決まっている」もの Male Female
Gender identity:心理的に後天的に「選ぶ」 Man Woman
Gender expression:内面でなく外面をどうみられたいか Masculine Feminine
Sexual orientation:LGBT など、男性・女性どちらに惹かれるかの指向性

※スライドの写真とれず、似たようなイラストを web から持ってきました

http://itspronouncedmetrosexual.com/2011/11/breaking-through-the-binary-gender-explained-using-continuums/

Cis か Trans か
遺伝子(Sex)と自分の受け止め(Gender)が逆にある人たちが、Transgender。
Transgender は、米国の推定からは0.3-1.4%と言われている。100人に一人
(8%、クラスに一人くらいという数字もある)
1万人から3万人に一人というのが公式なデータ(ただし、ジェンダークリニックに受診した人の数字であり、
実際はもっといるはず)

受診者の特徴
・Gender spectrum は FTM(Female to male)が 54%、MTF(Male to female)が45%で半々
→略語の説明なくわからんかったので、こちらのサイトで調べました。
https://gidinfo.jp/prepare/gender-identity-matome/
・16-34歳が多い。
・カナダ生まれが81%
・高卒が7割
・貧困層が多く、非雇用・低収入・ホームレスが多い
・アルコール・ドラッグ・自殺も多い
(受診できている比較的マシな人のデータとすれば、受診に至らない人の社会経済状況はもっと悪いかも)
トランスジェンダーは、病院に行きたがらない。
オンラインや知人同士でホルモンを手に入れたりしている。
急病でも受診せず、不適切な治療をしていたりする。

ライフサイクルの名前を変える、名前の読み方を変えるときなどに自殺イベントが起きやすい。
しかし、治療を検討し始め、治療が始まり、治療が終了するほど、自殺率が減っていき、45%が1%まで減っ
ていく。

オンタリオでの Transition related surgery:TRS


性転換手術→というのは「転換」という表現が差別的なのと、遺伝的な性ではなく社会的性別の問題なので
「性別適合手術」とよぶ
※web で探すと Sex Reassignment Surgery(SRS)という記載が多く、TRS で探すとオンタリオ州のページ(今日
来た Women’s college hospital や Rainbow health Ontario とか)が出る。特別に付けた名前でより広い
or 偏見の少ない表現ということか?

TRS を受けたい人は専門クリニックに受診する必要があるが、予約しても3年待ちだった!
2016年3月、オンタリオで性転換手術についてニュースで取り上げられた。
以前は手術が年数十例だったが、その後急増して数百例(コンサルトした症例ふくめると2000件に達した)
この半年間で手術を受けた件数は734例。殆どが男性で、陰茎をとって女性の見た目になった人が多い。

ここの病院では、乳腺切除、乳房形成術、膣形成術、内性器摘除術など幅広く対応している。
しかしこれらは保険適応外。きまった制度もない。
また、治療を受けるための条件は手術別に細かくきまっていて、十分な経過観察や内科疾患のコントロール状態
などかなり厳しい。

ギャップを埋めるためのアクセスの改善
システム面の難しさ
・多くが、プライベートクリニックで対応されている(質の問題?そもそも国内で対応クリニックも少ない)
・プライマリケアとの連携が難しい。
・手術待機期間が非常に長い
・費用が非常に高い(胸部の男性化で 1500-5000 ドルかかる)

子宮形成術を受ける場合
・モントリオールまで行く必要があり、トロントから片道6時間かかる。
・基本日帰り外来手術なので手術+往復で1日かかり、術前術後フォロー大変。
陰茎形成術の場合
・カナダで1箇所だけ対応しているが、ここが無理ならアメリカに行く必要がある。
・外国に行くハードル、ケベック州のフランス語圏で住んでいると言語の壁、術後合併症があればその都度行く
し、そうでなくても3ヶ月に1回国境を超えて受診しないといけない。
2018年に基金から資金を受けられるようになって非常に助かっているが、これでもまだまだ足りないし、
続けていかないといけない。
これから、この病院で?色んな種類の性転換手術ができるようにしていく予定。
つぎは Penile inversion を実現する予定で、これが保険承認されるように働きかけているがどうなるか
また、他の多くの難しい手術や、SW・メンタルヘルスとの連携、web やナビゲーションツールなどでコミュニケ
ーションツールを作っていったりしたい。

質疑応答:
日本では医療者がトランスジェンダーをケアしようと思われていない、ケアできる人は少ないが、カナダで状況
が変わってきたのはどうしてか。
→最初はビレッジをつくって、LGBT が来たら診療できるようにしていたが、そこは閉鎖した。閉鎖時に近隣クリ
ニックに対応を依頼し、窓口は残していた。そのときが、一般の医療者が LGBT ケアを認識したときだと思う。
→しかし、実際はいまでも LGBT はみれない(依存症は見れないというのと同じレベルで)というプライマリケ
アクリニックは多い(カナダでも状況はまだまだ。ということのようだ)

日本では LGBT ケアはまだまだほとんど進んでいないが、民医連の医療機関ではいくつかの病院で関心がでつつ


ある。どういうふうにしていけば LGBT フレンドリーな病院にしていけるか
→まずは対応するという表示をしっかりすること
→この病院では待合室を別にしたり、性別を確認するときに Sex と Gender を分けてきいたり(聞くための訓練
も必要)、トイレを男女別だけでなく誰でも OK のトイレをつくったり、名前の呼び方を確認したり(別性の名
前で読んでほしかったり、発音の仕方に注意したり)。
→ジャーニーマップというのを作って、患者のいろいろを丁寧に確認している。

日本の現状では、同性婚が認められない。戸籍の性別を変えるためには生殖器を取る手術が必要となっている。
しかし、見た目と戸籍にギャップがあると就職に支障があるため、同性パートナーとの子供が欲しくて手術を受
けたくない人でもやむなく手術を選ぶケースもある。それは人権侵害ではという話がようやく出てきているとこ
ろです。

ギャリーから
カナダの家庭医にとっても、非常にやりがいがある課題と感じている。ニーズが非常に大きいから。
でも簡単ではない。心理的にも社会的にも非常に大きなプレッシャーを患者側も医療者側も感じる事が多い。
しかし、自分が見ている患者はとても感謝してくれていて、スタッフが一生懸命見ようという姿勢を見せてくれ
る事自体が嬉しいといっている。民医連でも、対応を始めるならまず姿勢を示すだけでも意味があるのではない
かと思う。(この間に見学したクリニックでもレインボーの旗があった)
アドボカシーの視点では、認知度を上げて、関心を持って適切に対応できる人の範囲を広げていく必要がある。
トランスジェンダーは、どこかの時点で医療者が関わる必要性はある(性転換手術にかかわらず、メンタルヘル
スや物質乱用などもおおいし)。どう関わるかやその程度は議論があるが、社会に対するアドボカシーは意識し
ておいたほうが良い。

感想:
そもそもトランスジェンダーとかの知識が足りない(大学の泌尿器科の講義を1回聞いたきり)だなと思った。
周囲でカミングアウトしている人もいなかったので身近には感じなかったが、思っていたより頻度も多く、単に
気づいていないだけ、気づかずに差別していたかもしれないと思った。まずは基本的な概念、日本での頻度、医
療者としての関わり方などを勉強してみようとおもった。とりあえず意欲が消える前にアマゾンで本を買ってみ
ました。
あと、うちの産婦人科がどう考えているかやこれまでの実践がどんな感じか聞いてみて(少し前に職員向けの
講演会みたいのをやっていた気がする)
、なにかやっていれば内科外来や病棟などでも対応を検討してみたいと
思う。

11:00-12:00 1 週間の最後の振り返り
今日のセッションについて
見えてない、見てないことがたくさんあるんだなとおもった。

こっちでは、LBGT があらゆる医療者の口から普通に出てきて驚いた。日本とのギャップは大きいが、世界では
当たり前の権利として喋っていて嬉しさや日本に戻る憂鬱さなど感じる。
民医連は全国組織なので、マイナーな層のケアを広めるうえでは有用なのかもしれない。全国で草の根的に活動
するよりも、民医連を通して広めていけるかもしれない。

実際に職員にもいたりして、とりあえずはトイレや休憩室どうするかといった施設の話題になるが、接し方など
も学べると良い。でも、たぶんみんな漠然としている。以前に民医連新聞で特集を組んでいたこともある。
→LBGT に限らず差別等の対応の具体的な作業としてどうすればいいか。
まずは、個人がどうするかとしては、個々のケースとしてだけでなく社会的な階層としてみるなど、知識を得
て、考え方や見かたを変えていく必要があり、そのために当事者の話を聞くと「遠い世界の話でなく、身近で、
自分にも関わる問題」と思えて姿勢が変わる。昔は LGBT は珍しいものでゲイ・ストリートクラブに行ってみ
たりしないとわからなかったが、今は子供時代にそういうところとの接点があり、より当たり前になってきて
いる。
→医師として、病院としてどうすればいいかの例として、米国の家庭医療学会が出しているコンピテンシー
リストがあるので、それをアレンジして学べばハードルは下がるかもしれない。あとは、読むだけでは難しい
部分はあり、学習会を企画しても良いと思う。
→医学生向けで全職員参加可能な学習会をした。関心をもったりたくさん質問出たりした。また、家庭医をして
いると LGBT の相談は日常的にある。施設としてどうするかについては、また別のハードルがあるが、こうい
う学習会は有意義だった。トイレはすぐに作り変えられなくても、問診票の性別記入欄はすぐに変えられる。

教育についての工夫なんかありますかと自分に振られたので答えてみました。
総合医は Common health problem のプロだと思っていて、いままでアルコールや認知症などを重要だと強調して
伝えてきて、
「医者として意識してなかっただけで、実際にこの地域で Common だよ」と伝えれば、大学や国家試
験や研修医向け書籍にある内科・救急疾患でなくても関心を持って診療に取り組んでくれるという感触はある。
貧困や SDH、移民・被差別集団、依存や LGBT なども、
「実は Commmon なんだよ」と伝えれば関心を持ってくれる
だろう。関心をもったあとにどうすればいいかはまた別の課題だが、答えやノウハウがない状況でもなんとかし
ていくのは総合医の日常だし、制度上対応していない問題に対応するのは民医連の得意なところだから大丈夫だ
ろうとおもう。また、指導医が先に詳しくなって教えなきゃと思うとハードルが上がるが、若手のほうが関心を
持ったら無限に勉強して詳しくなってくれるので、まずは関心を向けてもらうように導くだけで十分とも思う。
→他の人から、医学生のコアカリキュラムに SDH や LGBT を組み込まれたので、これから自然と学生・研修医の
ほうが関心を持っていくだろうと思った。

個人の感想:
アルコールの具体的な対応が学べてよかった。やってみよう。
LGBT も関心が高まったので、まずは学んでみようと思っていた。

全体を通しての感想
どの組織も目的をきちんと見定めて動き結果を出していてすごいと思った。
日本で同じことをやるには距離感があるなとはおもったが、目的に沿った組織の形を作ることは参考にしたい。
個としての医師の存在感が大きいと感じた。民医連だと組織でというイメージがあり、違うなと感じた。

アイパッドでの遠隔診療いいですね。
民医連全体でリサーチできるといいですね。

家庭医療の研修中だが、日本にいたときよりも家庭医療とはこういうことだというイメージが腑に落ちた。参加
した他の総合医がどうしているかの関心もできたので帰国後にもいろいろ交流したいと思った。押し付けがまし
う与えられるよりも、医療者がわかりやすい数字・エビデンスで提示したり、関心に応じた動機づけができると
よいのだろうと思った。

とても勉強になった。京都だと部落の問題があり、どうしようか考えるきっかけになった。
いろんな問題をきちんと調べて把握したいと思った。
SDH のスタッフや研修医に対する学習をちゃんとしようと思った。

これてよかった。SDH について全く知識がなかったが、ギャリーが来たときの講演をきいたら、昔から感じてい
た疑問や意識とハマって腑に落ちた。カナダに来れた事自体が大きな奇跡だし、貴重な一歩だった。
メンタルヘルスなど、いろんな病気や特性で Stigma はよくあるし、自分も感じる。家庭医療では学ぶ項目に入
っているし対応はしているが、まだまだそういった人たちが生きていくには日本の環境は大変だとおもう。

ここに来て民医連の意義がわかった。昔は民医連活動に怪しさを感じていたが、ここの人たちが爽やかに当たり
前に話しているのを聞いていて「そうだよね、こういう人たちへの医療を行ったり、社会に訴えることは大事だ
よね」と普通に思えた。一番印象に残ったのは OPS の看護師さんがすごかった。あのパワーが患者さんから来て
いるという話が良かった。
自分のところでどうするかはこれから。自分の力だけではたりないので、どう分配していろいろやっていくか考
えようと思った。

ハームリダクションの考え方がよい。アルコール依存で、アルコールが悪いことは重々承知のうえで、アルコー
ルを飲んでいてもいいからまず生きていてほしい、少しでも良い人生を送ってほしいという考え方がありなんだ
と思えてよかった。
貧困を見ていてちょっと思い上がっていたとおもうが、実際はまだまだみえていなかった。
また、これからは日本でも移民が増えてくるが、正式な移民の手続きに乗らず権利が得られない人たちをどうす
るかなどを考えていこうと思った。

つれてきた若手・中堅に成果があったということ自体うれしい。
Cycle of unequity、不公正の連鎖が印象にのこった。実際に貧困では連鎖していると感じていたが、それがカ
ナダでもあり、貧困以外でもあるということがわかった。
ギャリーにも民医連に入ってほしいとおもった!熱意、スキル、ニーズから始まる態度。
民医連の社会的問題に取り組む姿勢が最近弱まっていたと感じていたが、今回の経験を経てもう一度盛り上げて
いきたい、日本に持ち帰りたいと思った。研究もちゃんとしたいと刺激を受けた。
カナダの実践を聞いて、翻って日本の民医連の良さも改めて気づけた。行動・実践はできていると思えた。しか
し、若手の巻き込みが足りない(民医連は白髪が混じった人のほうが多い)のでそれは宿題。

若手・中堅の学びになったのが成果だな。
救急やっているので、アルコールクリニックを救急の近くに置く考えに関心を持った。これができると、現場で
困っている救急医も、もちろん患者も助かるなと思った。ニーズベースの改善は重要とおもったし、一方で普段
忙しさにかまけて必要な対応をサボっていたように感じた。
カナダの先進性に追いつけないかもという気持ちを前半でもっていたが、昨日の CFPC の話でカナダの 20 年前も
似たようなもんだと聞けて、これからの 20 年をどうするかちゃんと考えようと思った。
被爆者医療に関わった経験からも、日本の医療は分断しやすく、追いやられた人たちが集まりにくい、生活しに
くいんだろうなということを改めて感じた。こういうことをどうやって民医連職員に普及させていくのかが重要
だとおもった。
民医連紹介プレゼンをつくっていて、民医連はすごくいろいろやっているなと気づけた。これを組織として統合
して、全国や民医連外に広げていくところがこれからの課題だなと感じた。スケールメリットと言われているも
のをきちんと生かしていくのが近道だと思った。
すごい人だと思っていたギャリーもいろいろ大変だったことを知り、親近感を感じ、我々も頑張ろうと思えた。
また、カナダ人の目でみて憲法や綱領についての意見をもらい、普段大事だと言いながらも薄っぺらかったり
職員の中で認識にばらつきがあるところをどうにかして行こうと思った。

百聞は一見にしかずで、カナダにきていろいろ見聞きして、新たな考え方などが染み込んできた。
SMH の設立経緯やミッションに職員が共鳴して医療に取り組んでいることに感銘を受けた。
SMH だけでなく、他の病院も含めて幅広くみれたことで、視野や気付きに広がりができたと思う。
Marginalized な人たちへの地味な医療だけでなく、大きくきれいな病院を作って入院させない先進的ケアも
していてすごいとも思った。
民医連内で、点と点の繋がる線はいくつかあるが、これが面としてつながっていき力を発揮していく必要がある
と感じた。貧困と言うと政治問題に捉えられやすいが、Social justice として捉えれば公に発言し行動してい
ける気がする。
そういう意味で、J-HPH の役割は大きいだろうと思う。民医連だけでなく他組織や大学も入ってきているのは新
しい組織の形態として可能性も大きい。ただ、研究を活性化しすぎると、現場に負担がかかるのも心配している
(現場から医師が抜ける、医師の休みが削れる、研究に関わるスタッフや患者の負担など)ので、運営の仕方が
重要だと思う。
戦う!だけでなく、戦い方も重要。Political window なども意識して、「どう活動したら望む結果が得られるの
か」をよく考え戦略を練ることが重要だと思った。闇雲なだけでは不十分だろう。行動変容理論のように無関心
なところに労力を注いで浪費するよりも、より関心のある人を巻き込んだほうがいいかもしれないし。
濃密なプログラムを作ってくれたギャリーに感謝。複数組織の偉い人をコーディネートするのってとても大変。

ギャリーのメンターから:
Global health & social accountability の副会長
https://www.dfcm.utoronto.ca/landing-page/global-health
火曜日参加予定だったけどこれなかった。国際的な家庭医療のつながりを支援している人。
学びに来るということだったので教えなきゃと思っていたが、今日の振り返りを聞いて逆に多くを教わることが
できた。
また、ギャリーがこれだけの立派なイベントを作ってくれたが、今回再確認できた様々な機関・人たちの連帯を
大事にしてこれを世界に向けてもっと発信してほしいと思っている。今回得た興奮を、帰ったあとに同僚とも分
かち合ってほしい。
ギャリーの素晴らしいところとして、関わった人たちがお互いに学び会える良い場を作れるところ。
いま、日本から研修に来ている人がいる。国際的な留学プログラムをつくっている。家庭医療をどうやって新し
く再構成していくかを伝えたいと思っている。名刺を残していくので、興味があればぜひ来てほしい。

ギャリーからの締めのお言葉:
振り返りを聞きながら、やってみてよかったと思う。
私にとってみても大切で興味深い一週間となり、たくさん勉強できました。
参加者たちも、普段同じことに取り組んでいても交流する機会は少なかったとおもうので、一緒に学べた事自体
が良い機会だったかと思います。

私だけすごいのではなく、多くの人が様々な領域でリーダーをしている。それを見せたくて今回のプログラムを
作った。多くの人が関わってきていることを伝えたかった。
一朝一夕にはこれはできず、国が 5 カ年計画、10 年計画などで 20 年かけてつくってきたことである。
差別やギャップが完全になくなることはないとおもうが、それでもジグソーパズルを組み立てるように少しずつ
穴を埋めていく必要があるのだろう。
私もあなた達も同じ人で、私だけが特別なわけではない。これから取り組むときに大変な経験は多いだろうし、
燃え尽きたり落ち込むことも経験すると思う。一人で抱え込ないこと。民医連というつながりがあるのは大きな
助けだと思う。今後も発展し共同していくためにも、健全な組織で有り続けてほしいとおもう。

また、カナダと民医連との連携を続けていきたい。アンドリューが 2 週後に夫婦で日本に講演しに行くし、少し
ずつ我々の関係を発展させていこう。
今回関わったカナダのスタッフはみんな満足している。
ほか、オンタリオの家庭医協会やそれ以外の組織や人含め、関心を持っていたけど今回来れなかった人たちがた
くさんいる。そういうたくさんに人たちが連携しながらこの地域・国の健康格差に関わっていることを知っても
らいたかった。日本で閉塞感を感じることがあっても、世界にはたくさん仲間がいることを知っていてほしい。
自分の感想:ポジティブ気味に
本場や最先端を見れたことで、意識が高まり、視野が広がり、進むべき先が見えた。
最近はちょっとスランプ気味というか、診療や学習の課題があまりなくなり、一方で管理のウェートが増えて閉
塞感、使い潰されて消えて無くなりそうな感覚があったが、まだ伸びしろというかやるべきことがたくさんある
と思って嬉しくなった。柔軟で力強い組織づくりを意識して自分が前に出ず後輩や他職種を育てる視点で後ろに
下がっていたが、未開拓分野を開かなきゃいけないという大義名分を背負うことで、再び一医師として前面に出
ようとおもった。

カナダでも、自分で全部やるのではなく既存の仕組みを活かしお金も集めて行くというスタンスがいいなとおも
ったので、自分もまずは院内や地域内、民医連内の資源をちゃんと把握したい。また、アドボケイトやリサーチ
の第一歩として、もう少しちゃんと地域の課題を知るために病院の外に出たいと思った。そのためにも雇用契約・
勤務条件の見直し、具体的には委員長や責任者などの役割の棚卸しなどを上と相談してみようと思った。
具体的な対象がないと、学習も活動もぼやけるので、まずは 3 つの対象に注力してみようと思う。アルコール(専
門的ケアにつながらない人が多い、ハームリダクションがよいかどうかのエビデンスをちゃんと学びたい)と
新しい定義でのホームレス(存在しないことになっているが実情はどうか)とアイヌ(ほとんど出会わないが
健康観やケアの考え方が異なる彼らの生活を知りたい)を対象に調べてみようと思いました(貧困対応や高齢者
虐待などの病院としてのテーマも続けつつ)

自分の紹介の仕方が重要という話もあった。病院家庭医+リハビリだったが、リハビリはもう飽きた(ほっとい
ても必要なレベルはできるし、今の課題はその先だと思う)ので、社会医学をサブスペシャルとして「Community
hospital で働く家庭医」を名乗ろうと思った。ただ、民医連で「社会医学」というと政治臭さ・胡散臭さが気に
なるので(自分が気にしなくてもついてくる後輩が気にしたらもったいない)、海外の組織名などからパクって
かっこよさを意識しつつ、自分の好きな理論的フレームも生かして「Family & Community Medicine」のエキス
パートがいいかな。生物心理社会モデルで多元的に捉える軸に加えて、SDH の Micro-Meso-Macro のズームイン・
ズームアウトを自在に操り Person-Family-Community のすべての次元に対応できる!みたいな。

今回の視察旅行を通して、けんた 3.0 にバージョンアップしたかな。


(1.0 は救急総合内科、2.0 は病院家庭医、3.0 が地域医療専門医)
「Community hospital(HPH)を活動拠点としながら、周辺地域(Community)の Common health problem に対応
する”Family & Community medicine”の専門家。SDH の視点から上流(Upstream)まで視野に入れながら Macro-
Meso-Micro すべてをカバーしつつ、特に社会的に脆弱な人(Social vulnerable)や辺縁に追いやられて関心を
持たれていない人(Marginalized)たちのケアについては他の追随を許さないエキスパート」
社会医療でなく地域医療という表現の根拠は上述の通り。Community がよいとおもう。
地域ケアや地域活動ではなく地域”医療”というところや、Community 全体ではなくあくまで個々の「人」のケ
アのスキルを磨くということを表現に入れることで、病院の臨床医として地域医療に関わるという立ち位置や、
臨床医の視点だけでは狭いので Community の他の領域のプロと協力しようという意識をにじませてみた。
まだこなれてなくてくどいけど、言いたいことはこういうことだと思う。

12:00-1:30 昼食 中華料理
午後: トロント市内の観光
ツイッター参照

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