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ダムに反対する理由

目代邦康(自然保護助成基金)
2010.3.28 日本地理学会春季学術大会 法政大学
ダムを対象とした地理学的研究 1
● ダムを含む河川誌
– 服部信彦(1967)川内川の洪水と鶴田ダムの意義.地理学評
論,40
– 白井義彦(1976)多目的ダムの管理と水利用.地理学報告,45
– シンポジウム(1972)「河川の地理学とその応用」

ダム建設に伴う地域の変容
– 西野寿章(1981)ダム建設にともなう水没村落の移転形態と村
落構造.人文地理, 33
– 池谷和信(1984)ダム建設により水没予定にある集落の変貌.
東北地理,36
● 水資源論からみたダムの役割
– 伊藤達也(1997)ダムによる水資源開発の論理とその問題点.
金沢大学文学部地理学報告,8
ダムを対象とした地理学的研究 2
● 環境問題(自然破壊)としてのダム,地域づくりの
問題
– 小野有五(2006)人間を幸福にしない地理学というシステム.
E-journal Geo, 1(2)
– 小野有五・佐々木聡(2005)ダムによる災害リスクと環境問題.
日本地理学会発表要旨集, 67
– 吉本 健一(2001)事業の見直しと地域の新たな課題 ダム中
止後の徳島県木頭村の課題.日本地理学会発表要旨集
– シンポジウム(1991)「住民合意による山村振興・環境保全」


今日的な課題
– 本大会シンポジウム「河川環境の水環境保全と流域管理」
時代による変化
● 1)ダムそのものの研究(60-70年代):河川工学的
研究に類似
● 2)その存在を前提とした研究(80年代):ダムを地
域の問題として捕らえる.
● 3)建設計画や周囲に与える影響を検証する研究
や,地域住民の当事者性が問題に(90年代以降):
他の分野と相対化.
地域住民のダムに対する反応
● 1958-71年 筑後川水系の洪水対策のため,熊本
県小国町,大分県中津江村に下筌(しもうけ)ダム
の建設.室原知幸(むろはらともゆき)による反対
運動
● 日本最大のダム反対運動

土地収用法の不備→改正.水源地域対策特別措
置法.
地域の問題としてのダム問題
● 何が問題となるか.
● 地域固有の問題と普遍的な問題の組み合わせ.
2009年9月
建設中・計画中の
143ダムの見直し

2009年10月
本体未着工ダム事
業の予算凍結
2009年10月9日
朝日新聞夕刊
各地域のダム問題を整理
● 国土交通省直轄・水資源機構によるダム事業56箇
所について、書籍、雑誌、新聞記事、研究論文、反
対団体のインターネットサイト、裁判記録等から情
報を収集し、どのような問題が発生しているかを整
理した.
ダム事業推進の一般論
● 推進・賛成

治水,利水に必要
– 過去に大規模な洪水があると,その被害が繰り返し語られる
● 地域経済活性化
– 長期間に渡る公共事業
ダム事業に対する住民の反応
● 事業実施中のダムの半数以上で反対運動がある.
● 沙流川(北海道)、サンル川(北海道)、八ッ場ダム
(群馬県)、思川(栃木県)、川辺川(熊本)が反対
団体多数.

組織化され 31 24 反対運動が
た反対運動 ないところ

1 住民個人に
よる反対運動
(n=56)
反対運動の主体
● 政党・・・日本共産党(団体というよりは議員個人)
● 水没地の住民
● 漁協
● ダム問題を契機に作られた市民団体

地方自治体
● 全国規模の自然保護団体が積極的に取り組んで
いるところは,少ない.・・・地域性の強い問題
反対する理由
● 杜撰な計画(需要予測,費用対効果) 30(箇所)
● 貴重な生物の生育地 8
● 地盤に問題がある 8
● 水質悪化 6
● 生活保障 6
● 政治汚職 2

文化的な価値など

(32ヶ所中)
特徴
● 費用対効果(費用便益費(B/C))は,国土交通省
は試算済み(1を下回ることはない)
● 生態学的に貴重な種を守ることが主題になってい
るところもあるが,必ずしも科学的なデータの裏づ
けがあるわけではない.
● 科学者との連携
● 「景観」を保全したいという主張は少ない.
● 心情としては持っているが,権利として主張しにくいた
めか?それとも,そこに価値を置いていな?
● 地誌学的な記載の貢献は?
問題点
● 「行政と一部の住民が推進,一部の住民が反対」と
いう構図では,反対住民がダム事業の不合理性を
指摘しなければならない.
● 水源地の何を守るのか=当事者はだれか?
● 地理学者は,景観の価値を伝え,その評価につい
て議論すべき

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